不服申立ての資格
行政不服審査法は「国民」が不服申立てをすることができるための制度ですが、外国人でも不服申立ては可能です。
法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めがあるものは、その名で審査請求をすることができます。(10条)
法人でない社団とは、単なる個人の集合体でなく、一定の目的を達成するために統一された意思のもとに活動する団体のうち、法人格をもたない団体で、自治会やPTA、マンションの管理組合、大学のサークルなどが該当します。
不服申立てをするには、不服申立資格だけでなく、不服申立適格が必要です。
処分についての不服申立適格が認められるのは、処分に「不服がある者」です。(2条)
「不服がある者」とは、当該処分について不服申立てをする「法律上の利益」を有する者とされています。(主婦連ジュース不当表示事件判決(最判昭53.3.14))
不服申立期間
不服申立期間については頻出で、記述式問題で出題されたことがあるので必ず押さえておきましょう。
処分についての審査請求の申立期間
主観的審査請求期間
処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3ヶ月を経過したときは、することができません。(18条1項・記述出題歴あり)ただし、正当な理由があるときは、この限りではありません。(18条1項ただし)
このように、「あったことを知った日」の翌日から起算することを主観的審査請求期間といいます。
再調査の請求についての決定を経た場合は、当該再調査の請求についての決定があったことを知った日の翌日から起算して1ヶ月です。(18条1項)
客観的審査請求期間
処分についての審査請求は、処分があった日の翌日から起算して1年を経過したときは、することができません。(18条2項・記述出題歴あり)ただし、正当な理由があるときは、この限りではありません。(18条2項ただし)
このように、「あった日」の翌日から起算する見方を客観的審査請求期間といいます。
再調査の請求についての決定を経た場合は、当該再調査の請求についての決定があった日の翌日から起算して1年です。(18条2項)
不作為についての審査請求
不作為についての審査請求は、不作為状態が続いている継続している限り、いつでもすることができます。
再審査請求
再審査請求は、原裁決があったことを知った日の翌日から起算して1ヶ月を経過したとき、原裁決があった日の翌日から起算して1年を経過したときは、することができませんが、いずれの場合も正当な理由があるときは、この限りではありません。(62条)