ネットの一部で、「男性が女性にAEDを使うと訴えられる危険があるからやらないほうがいい」という声があります。
なぜなら、AEDを使う際は胸部に電極パッドを貼る必要があり、衣服を露出させる場合があるためです。
結論から言うと、救命のために適切にAEDを使用した場合は、セクハラで訴えられる可能性は極めて低いと言えます。
しかし、誤解や不安を生む要因があるため、以下で詳しく説明します。
男性が女性にAEDを使うとセクハラになるという噂
これはSNSなどで広まった誤情報であり、事実ではありません。
救命行為は最優先されるべきであり、性的な意図がない救命行為がセクハラとみなされることはまずありません。
AEDの使用時には、胸部に電極パッドを貼る必要があるため、衣服を露出させる場合があります。
この行為を性的な意図と誤解される可能性を懸念する声がありますが、これはあくまで救命のための必要行為であり、セクハラにはあたりません。
法的観点
- 緊急事務管理 (民法第698条): 救命目的で善意に基づいて行った行為は、緊急事務管理として正当化される可能性が高いです。つまり、法的に保護される行為であり、不法行為 (民法第709条) に問われる可能性は低いと言えます。
- わいせつ罪 (刑法第176条): AEDの使用は救命行為であり、わいせつな意図を持って行われるものではないため、わいせつ罪に問われることはまずありません。
訴えられる可能性について
法的には問題ない可能性が高いとはいえ、訴訟を起こされる可能性はゼロではありません。しかし、その場合でも、救命目的であったこと、適切な手順でAEDを使用したことを説明すれば、裁判で負ける可能性は極めて低いでしょう。
不安を軽減するための対策
- 周囲に協力を求める: AEDを使用する際は、できる限り周囲の人に声をかけ、状況を説明し、協力を仰ぐようにしましょう。目撃者がいることで、後々の誤解を防ぐことができます。
- 女性に配慮する: 可能であれば、同性の人に介助を依頼したり、露出を最小限にするように配慮したりするなど、できる範囲で配慮することで、相手の不安を軽減できます。ただし、救命が最優先であることを忘れないでください。
- AEDの使用手順を学ぶ: AEDの使用手順を正しく理解することで、自信を持って行動できるようになります。講習会などに参加し、正しい知識と技術を身につけておきましょう。
重要なこと
最も重要なことは、目の前で倒れている人がいる場合、ためらわずに救命行動を起こすことです。
誤解や不安から救命が遅れることで、助かる命が助からなくなるという最悪の事態を避けるべきです。
まとめると、救命のためのAED使用はセクハラには当たらず、法的に問題となる可能性は極めて低いと言えます。
ためらわずに救命行動を起こしてください。
訴訟になったところで、ジャッジするのは裁判官なので、適切な措置を取っていれば間違いなく「違法性はない」との結論に至ります。
心配しなくても大丈夫です。