民法判例

安楽死について考える 死ぬ権利は自己決定権として認められるのでは?

注射

本記事は、自殺を推奨する趣旨ではありません。

憲法で保障されている「生存権」の逆、「死ぬ権利(自己決定権)」があるのではないか?という疑問と、

安楽死について知識を深める目的で執筆した記事です。

死んだ方が楽になれる人もいる

私は、死にたいと思ったことが何度もある。

「死にたい」と言うと、たいてい「生きていることに意味がある」「生きていればいいことがあるよ」「死んだら家族や周りの人が悲しむよ」と言われる。

しかし、それらの言葉は無責任だと感じる。

では、何のために生きているのか?、生きていればどんないいことがあるのか?

そんなこと分かるわけない。仮に言葉が返ってきても、哲学やスピリチュアルからの思想だろう。

本当につらい状況に立たされている人は、「死んだほうが楽になれる」という思考になる。

もしくは、積極的に死ぬ気はなくても「死んでもいいや」という思考の人もいるだろう。

そういう人のために、世界では(積極的な)安楽死を認めている国がある。

安楽死には3種類ある

安楽死は積極的安楽死、自殺幇助、消極的安楽死(尊厳死)の3つがある。

積極的安楽死と自殺幇助は、死への措置が違うだけで、条件は同じである。

日本では安楽死と自殺幇助を明確に区別しないことが多く、スイスの自殺幇助が安楽死と呼ばれていることが目立つ。

積極的安楽死

積極的安楽死は、患者の意思により医師が注射などで致死薬を投与して死なせる。

患者が明確に自死を望んでいる場合に行う。

もちろん、日本では認められていない。

自殺幇助

自殺幇助は、条件は積極的安楽死と同じで、患者が自ら致死薬を摂取して自らの命を絶つ。

これも、日本では認められていない。

ちなみに、日本で人をそそのかして自殺させることは刑法第202条の自殺教唆罪に、人の自殺を手助けすることは自殺幇助罪になる。

法定刑は6カ月以上7年以下の懲役又は禁固で、罪の未遂でも罰せられる。(刑法第203条)

消極的安楽死

日本でいう尊厳死はこれにあたる。

人工呼吸器や点滴、人工透析などの延命処置など、生命維持のための治療をしない、あるいは中止することで死期を早める。

日本で認められている。

安楽死できる国

積極的安楽死と自殺幇助の両方が認められている国

  • カナダ
  • スペイン
  • ルクセンブルク
  • オランダ
  • ベルギー
  • ニュージーランド
  • コロンビア
  • オーストラリア(一部の州)

自殺幇助のみを認めている国

  • スイス
  • オーストリア
  • イタリア
  • アメリカ(一部の州)

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