警察官に交通違反の青切符(交通反則告知書)を切られたものの、どうしても違反していないと感じる場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか? ご自身でできること、そして状況に応じて専門家への相談も視野に入れながら、適切な手段を検討しましょう。
違反切符にサインする前に
まず、警察官から違反切符を提示された際に、以下の点を確認・対応しましょう。
- 違反内容の確認: 警察官に、どのような違反行為に該当すると判断されたのか、具体的な根拠を含めて詳しく説明を求めましょう。 その際、説明された内容はメモしておくと、後々役立ちます。
- 現場の状況記録: 現場の状況を写真や動画で記録しましょう。 特に、道路標識や信号機、道路状況などがわかるように撮影することが重要です。ドライブレコーダーの映像があれば、それも必ず確保しましょう。例えば、標識が木や他の物体によって隠れて見えない場合もあるため、その状況を写真に収めておくことが重要です。
- 目撃者の確保: もし目撃者がいる場合は、氏名と連絡先をお伺いし、可能な限り、目撃した状況を詳しく説明していただくか、書面に残していただくようにお願いしましょう。 第三者の証言は、状況を客観的に証明する上で有効な証拠となります。
納得できない場合の対応
上記の確認・対応を行っても、なお違反に納得できない場合は、以下の手順で対応を検討しましょう。
- サインの拒否: 納得できない場合は、青切符へのサインは拒否しましょう。 サインをしてしまうと、違反を認めたとみなされ、反則金を支払う「交通反則通告制度」を利用できなくなる可能性があります。 この制度を使えば反則金を支払うことで裁判を回避できますが 、サインを拒否するとその手続きができなくなり、最終的に裁判で争うことになる可能性も高まります。 サインを拒否することで、裁判になる可能性があり、その場合は、より重い罰則や刑事罰を受けるリスクが高まります。 また、サインを拒否した場合、後日、交通反則通告書(桃色紙)が送付され、受け取りから10日以内に反則金を納付する必要があります。
- 警察署への出頭: サインを拒否した場合は、後日、警察署に出頭して改めて違反の事実を否認し、証拠を提出しましょう。 この際、冷静に、かつ明確に自分の主張を伝えることが重要です。
- 検察庁への不服申し立て: 警察署での対応に納得できない場合は、検察庁に不服申し立てをすることができます。 検察審査会に審査を依頼し、不起訴処分となる可能性もあります。
- 裁判所への訴訟: 検察庁でも不起訴にならなかった場合は、裁判所に訴訟を起こすことができます。 ただし、裁判となると時間や費用がかかるため、慎重に検討する必要があります。
重要な注意点
- 警察官への過度な抗議は避ける: 警察官に対してしつこく抗議したり、高圧的な態度をとったりすることは避けましょう。 公務執行妨害や職務強要罪に問われる可能性もあります。 警察官とのやり取りでは、常に冷静かつ丁寧な態度を心がけましょう。感情的な反応や攻撃的な態度は、状況を悪化させる可能性があります。
- 証拠の重要性: 不服申し立てを行う場合、客観的な証拠が重要となります。 ドライブレコーダーの映像、写真、目撃者の証言など、証拠となりうるものはすべて集めておきましょう。
- 専門家への相談: 状況に応じて、弁護士に相談することも有効な手段です。 弁護士は、法律の専門家として、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。
まとめ
交通違反の取り締まりに納得いかない場合は、上記の手順を参考に、適切な対応を検討しましょう。早急に結論を出さず、冷静に状況を判断し、必要があれば専門家の意見も聞きながら、自身にとって最善の行動をとることが大切です。 ドライブレコーダーの映像や目撃者の証言など、証拠を確保しておくこと、そして、警察官には冷静かつ丁寧に接することが重要です。 それでも解決しない場合は、弁護士に相談するなど、専門家の力を借りることも検討しましょう。